生前整理するのは、ある程度年齢を重ねた後がいいのでは?と思っている方が多いですが、実は早い段階で生前整理することをオススメします。
まだ体が元気なうちに生前整理することで、将来への安心感へと繋がります。
今回は、「生前整理を行う理由」や「生前整理の進め方」について詳しく解説していきすので、是非ご参考ください。
生前整理とは?
生前整理はよく老前整理と混同されがちですが、同じことではありません。
老前整理は高齢に差し掛かる前に、施設入居や親族との同居の準備の為などで身の回りを整理したり、老後に必要な物だけを集める作業になります。
老後の暮らしを意識してご自身の為に必要な物だけを集めるというところが老前整理のポイントとなります。
比べて生前整理は何歳からでも取り組むことが出来ます。
整理するという作業は老前整理と同じですが、残された方の為にご自身の他界後の遺品整理の負担の軽減を目的とする作業という点が、老前整理とは異なるポイントになります。
遺品整理は体力的にも時間的にも精神的にも大変な作業となります。
その負担を軽減し、あらかじめ準備をしておくことを目的とする作業のため整理する意志さえあれば年齢問わず行う事が出来ます。
若くして不慮の事故や災害で命を落とすということもゼロではないので、若い世代で行う方も増えてきています。
ご自身の持ち物や財産の把握、必要な物を選びシンプルな暮らしをする、ということはメリットがたくさんあるので年齢関係なくやっておくべき事かもしれません。
生前整理を行う理由とは?
大きな理由は、ご自身の他界後、残されたご遺族の方に向けての負担を軽くするためです。
突然訪れるその日は必ず誰にでも訪れます。
大切な人の為に出来る時に出来る事をやっておくことで、今後の人生を見つめなおすきっかけにもなります。
限りある人生の大切な時間をより豊かに過ごしていく道しるべとなってくれる作業といえます。
財産を把握する
「財産」と一口にいっても色んなものがあります。
代表的な物は動産、不動産、預貯金、有価証券、アクセサリーなどですがその他にもたくさんあります。
負債や借金も相続されますので、あらかじめ把握しておくことで処分方法や分配、税金の節税対策を話し合って決める事が出来ます。
財産を把握しておくことで、慌てる事無くスムーズな相続の手助けにもなります。
相続するときのトラブルを防止
相続は、準備をしていない状態では、すんなり何事もなく相続人全員が納得する形になる、というのはなかなか難しいです。
感情がぶつかってしまう事も少なくありません。
事前に財産を把握しておくと、のこしたい人に適切な方法でのこすことができ、また生前贈与することで大きな節税対策になるものもあります。
大切な人たちの為に残した財産が、相続する人たちの関係悪化の引き金になってしまわないよう配慮しましょう。
残った家族の負担をなくす
もし、全く生前整理をしていなかったらどうなるでしょうか?
残ったご家族は、すぐに気持ちの整理がつきにくいもの。
そんな中で、遺品整理をしていくというのは、精神的にも肉体的にも時間的にもかなり大きな負担となってしまいます。
のんびり時間をかけていつか整理しよう。というわけにもいかず頭を悩ませることになってしまいます。
生前整理をしていれば、肉体と時間的は負担はなくすことができるはずです。
自分の人生と向き合える
生前整理をする事で、自分の人生と向き合えるきっかけにもなります。
本当に必要な物だけのシンプルな暮らしを選択することは、自分の新しい生き方を選ぶ事となります。
整理をしていく中で、多くの思い出や記憶に触れる事は、これからの人間関係をよりよいものとし人生を歩むうえで悔いのないものに導いていってくれます。
生前整理!3つの進め方を解説
生前整理は3ステップでできます。
ご自身の為と大切な人の為に3ステップで生前整理を進めていきましょう!
①「必要な物」と「不要な物」を分ける
自分の暮らしに必要な物は当然必要な物になるかと思いますが、その中でも不要な物に分けられるものが出てきます。
見極めポイントはこの二つです。
①「いつかなにかに使えそうな物」
②「一年以上使って無い物」
綺麗な状態なのに捨てるのはもったいない!という方は人に譲ったりリサイクルショップやフリマアプリを使って処分するのがオススメです。
【生前】に【整理】する事が目的ですから、前述した二つのどちらかに当てはまれば思い切って不要なものにカテゴライズします。
この一歩が生前整理の肝になりますので、
一方、「使ってはないけど捨てたら後悔するかも知れない物」は必要な物にカウントしましょう。
心残りになってしまいそうなものはとっておかれた方が良いです。
きっちり分けてしまう事が最重要です。
②財産目録を作成する
把握した財産を記録するために財産目録を作成しましょう。
先述した財産(動産、不動産、預貯金、有価証券)以外にも以下のものは区別して記しておいた方が良いとされています。
・リゾート施設やゴルフクラブの会員権、貸し付けや売掛金などの債券。
種別、名称、所在、登録番号等の詳細情報を記録しておきます。
・生命保険金等のみなし相続財産
保険会社名、商品名、受取人、番号を記録しておきます。
※生命保険や退職金は受取人の固有財産となるので、原則、遺言や遺産分割の対象とはなりませんが、みなし相続財産として相続税の対象になりますので、
相続税申告や遺産分割協議の際、必要になりますので記載しておくとよいです。
高額な動産はもめごとになる事が多い為、できれば専門家に査定・鑑定をしてもらっておくとと安心です。
③遺言書を作成する
誰に何を残したいかを、確実に示したい場合は遺言書を作成しましょう。
正式な遺言書は法的効力があり、ご遺族の関係悪化を防ぐことが出来ます。
先程、生命保険は遺言の対象にならないと記述しましたが、『生命保険受取人を被保険者(遺言者)から配偶者に変更する』旨の遺言は有効です。
そのた遺言書には、他界後の事を指定したり、要望を書く事も出来ます。
例)未成年後見人の指定、祭祀主催者の指定、永代供養に関する要望など
記せることも多い遺言ですが、無効になってしまう事項もあります。
弁護士や公証役場のサポート、アドバイスを受け元気なうちに納得のいく遺言書を作成しておきましょう。
エンディングノート
遺言とは違いエンディングノートには法的効力はありませんので、決まった形式もありません。
遺品整理で遺族が困らないようにするために記しておくものです。
遺品をどうして欲しいかを記載しておくと遺品整理が大幅にはかどります。
遺言の保管方法を記載しておくこともオススメです。
また、ご自身に万一の事があった際、連絡して欲しい友人や知人の情報等記載しておくと、しっかりとお別れが出来ますし、
お葬式やお墓の要望を書いておくとご家族は対応しやすくなります。
エンディングノートは終活ノートともいわれいて書く内容は自由です。
普段は恥ずかしくて言えなかった感謝の気持ちや伝えたい思いを残すことでご家族や大切な人へのプレゼントになります。
生前整理するときの3つの注意点
生前整理を行ったことをご家族に伝えていなければせっかくの想いが無駄になってしまうかも知れません。
そうならないために以下、三点に注意しましょう。
①遺言書をどこに置くのか?
遺言書は大切な人を守るための重要な物ですので、他人に発見されて簡単に改善されたりする事を防ぐために公証役場や金庫、銀行や弁護士に預けるのが一般的です。
しかし、遺言書を作成した事を家族に伝えていなかった場合、預けているとタイムラグが生じ、財産分配が上手く行かなかったりとトラブルになる事も考えられます。
厳重に管理してもらえるところは安全ですが、発見されにくいデメリットもあります。
ご自身が保管場所を忘れてしまう事もありますので、エンディングノートに保管場所と日にちを記しておくと安心です。
②不動産等の相続
不動産は同じモノでもお金のようにキッチリ何等分など目に見えて分ける事が出来ません。
不動産を相続したけどほったらかしになってしまっているという事も少なくありません。
空き家や空き地は活用する事が出来ますが専門知識が必要となってきます。
相続人の意思確認をし、相続を希望しない場合の対処方法を決めておくとトラブルも回避できます。
③デジタル遺品の解約等
デジタル遺品とは、故人の電子機器(スマホ、パソコン)の中に保存してある写真、メール、SNS、ネットバンキング口座のネット上のデータの事です。
本人しか解約できないアプリや継続課金契約しているもの、アカウントでパスワードが必要など、複雑になっているものも多く簡単に情報の抹消や処分ができません。
個人情報を保護するために処分方法をエンディングノートに記しておくことで、第三者への悪用を防ぐことが出来ます。
デジタル遺品は見落としてしまいがちなので特に気を付けて下さい。
まとめ
生前整理は難しそうと思われるかもしれませんが、普段のお片付けや整理整頓に+『大切な人への感情』で行う事ができます。
自分の物を自分で整理し、のこしたいものをのこしたい人へ確実にのこせるようにしておく。
もしもの時のためを考える事は自分のためにも大切な人の為にもなっていくため、ぜひ実践しておきたいですね。
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