孤立死と孤独死の違いとは?分かりやすく解説

近年、耳にするようになった『孤立死』という言葉。

『孤独死』と何が違うのか?

孤独と孤立は似て非なるものです。孤立は、一人の状態を維持し、他者とのつながりがなく、対立するものもないが助けもないことの状態を表します。

一方、孤独とは、一人で寂しいこと、身寄りや頼れる人がいない状態を表します。共通点は一人の状態というところですが、自ら一人の状態を選択しているのが孤立、環境的や心理的に一人の状態になってしまっているのが孤独。

似ているようですが全く違う状態を表す言葉であるということです。

目次

孤立死とは?

孤立死とは、亡くなったときに一人の状態であることに加えて、亡くなるまでの環境が他者とのつながりを持たず助けもなかった場合となります。

必然的に死後、発見されるまでに時間を要します。孤立死は60代以上の世代では男性の割合のほうが多いという統計があります。

それは、男性は仕事上でのお付き合い以外のコミュニケーションをとる機会が少なかったことが原因とされています。

いわゆるご近所付き合いやママ友付き合いもコミュニティの一つですが、男性は現役でバリバリ仕事、女性は家事育児と家庭を守るという風潮が強かった時代でもあります。

定年退職されていざゆっくり過ごそうとなったときに、パートナーの死や熟年離婚などでお一人で過ごされていたりすると、周りの方とのコミュニケーションの取り方がわからず孤立してしまう。

新しいことに挑戦することはものすごくエネルギーがいることですし、我慢強い世代の方たちは、周りに助けを求めるということに苦手意識を持つ方もいらっしゃいます。

結果、他者とのつながりがなくなり、孤立した状態で死を迎えることが孤立死といえます。

孤独死とは?

孤独死とは、主に一人で生活されていて親族や看取る人がなかったため誰にも気づかれず、一人の状態で亡くなっていることです。孤立死とは違い、

生前、人とのコミュニケーションやつながりがあったにもかかわらず、亡くなったときに残念ながら一人であった。

一人暮らしの方は生活が不規則になりがちで、気づかぬうちに健康を害していることも多いです。持病の悪化で急死してしまい、看取りがなかったため発見が遅れてしまった場合も孤独死となります。

このことから孤独死の場合は、何らかの手助けがあれば防ぐことのできる死因ともともされています。

孤独死の背景には、貧困問題も大きくかかわっており、少し具合が悪いなと感じていても医療費を捻出することができず、

気づいた時には病魔が進行していて手遅れになっていたということも少なくないことから若い世代の方の孤独死も増えています。

現代社会において一人ひとり独立して暮らすことが多くなっていて、孤独死は高齢者だけの問題ではなくなってきているのです。

孤立死や孤独死を未然に防ぐには?

孤立死や孤独死を未然に防ぐためには、外部からの接触が有効です。

身内の方が連絡をこまめにとるようにしたり、身内がいない場合でも地域の民生委員や社会福祉協議会などの行政機関が定期的に高齢者宅への安否訪問をしている地域もあります。

その他にも日用品や食料を配達してくれる訪問系のサービスを使ったり、訪問ボランティアの活動もあります。

万一の時にすぐに気づいてもらえる可能性が高くなりますし、

お困りごとも相談しやすい環境になるため、解決策を提案してもらえたり、

行政機関だけでなく、営業で訪問中に高齢者宅の異変を発見したというケースもあります。

郵便受けに新聞がたまっていたり生活音がないことに気づいたりすることもあるかもしれません。

人と人との付き合いが希薄になりがちな昨今、直接の手助けは難しい場合、行政への連絡も孤立死や孤独死を未然に防ぐ方法です。

孤立死や孤独死の後の清掃について

孤独死も孤立死も一人で暮らしている方に多くある死因となりますので、生活困窮状態であることも少なくありません。

困窮状態が続くとやる気や張り合いがなくなっていき、生活環境が劣悪だったり、発見されるまでに時間がたっていることが多いため、発見後の清掃は特殊清掃を依頼することになります。

死後、期間が経過すればするほど、遺体は腐敗が進みます。暑い時期ですと寒い時期よりも腐敗の進行がとても早いです。

夏場は死後二日で腐敗臭がするようになります。

腐敗臭は、死亡後免疫作用がなくなることによる細菌の増殖によりガスが発生するものです。

お部屋の状態も体から出た体液や血液が壁や床に染みついてしまったり、虫が湧くなど、誰でも簡単にお掃除ができる状態ではありません。

遺体を見るというのも精神的にショックが大きいため、プロの業者に依頼し、周辺住民への迷惑にならないよう早めの対処が必要です。

料金は発生しますが、決して近親者の方で清掃を行ったりしないようにしてください。

消毒の知識がないまま清掃を行えば感染症を引き起こしたり、血液や体液が落としきれず部屋を原状回復することが難しくなることもあります。

まとめ

『孤独死』と『孤立死』の違いをご紹介しましたが、どちらも人とのつながりで未然に防げる可能性があります。
一昔前に比べると独身や一人暮らしも増え、気軽な人付き合いは難しくなっているともいえます。
プライバシーの問題もあり人との距離感が難しく感じられますが、人の命には代えられません。
高齢化社会が進んでいる今、地域の協力が必要不可欠となっています。
ご高齢の方だけの問題ではないのが、孤立死と孤独死です。
もしも少しのきっかけや声掛け、気遣いで減らせるとしたらどうでしょうか。
寂しい状態で亡くなられる方が一人でも減っていく世の中にしていきましょう。

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